交通事故に強い広島の弁護士の徒然日記

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一般市民を「当事者」に巻き込んむN国党の問題点

NHKから国民を守る党(以下「N国党」といいます。)党首の

立花孝志氏が,以下の内容の動画を先週投稿しており,内容を

知って驚きました。

 

1.立花孝志氏が動画で示唆する訴訟内容の要旨

  動画内容をまとめると以下の内容となります。

.泪張魁Ε妊薀奪スさんの東京MXテレビでの発言が有権

 者に対する名誉棄損である

⇒権者はマツコ・デラックスさん及び東京MXテレビに対し

 て債権(損害賠償請求権のこと?)を有している。

M権者個々人が持っている債権を,立花孝志氏が設立する株

 式会社(以下「本件会社」

といいます。)に債権譲渡し,本件会社が代わって訴訟を行う

 

 

2.マツコ・デラックスさんの過去の発言内容

まず,東京MXテレビ「5時に夢中」でマツコ・デラックスさんが

発言している内容は,リンク先に全文が掲載されています。

https://seege.hatenablog.com/entry/2019/08/14/000000

 

この発言の内容で有権者について言及しているのは以下の2点

・(司会者にN国党の票数が伸びた一因を聞かれ)やっぱり,ひやかし

ひやかしじゃない

もちろん、だから受信料払うことに対して疑問を持っている、真剣に

そう思っている人もいるだろうけどなんか、ふざけて入れている人も

相当数いるんだろうなぁとは思う

 

以上です。

 

 

3.発言内容は名誉棄損にはならない

 この発言を見て,一般人は「単なる論評に過ぎない」ということを認識

できるはずです。そして,N国党に投票した人全体の名誉を棄損する発言も

ありません。先の参議院選挙でN国党に投票した有権者の名誉を棄損する

発言は一切ないといって良いでしょう。

 このような裁判に「債権譲渡」という形で参加しても得るものはありませ

ん。それどころか,下手をするとこの訴訟自体が「嫌がらせ目的の訴訟」とし

て認定され,これに加担した一般市民はマツコ・デラックスさんや東京MXテレ

ビから訴え返される可能性を僕は危惧します。債権譲渡して参加した一般市民

には「リスクしかない」と言わざるを得ません。

 

 また,付随的な話ですが,立花党首が考えるスキームは,訴訟信託の禁止

(信託法10条)に違反するでしょう。つまり,自分に成り代わって訴訟を遂

行する第三者に債権を譲渡して訴訟を行ってもらうことは大原則として法律が

許容していないのです。

債権回収会社として法務大臣から許可を受ければ別ですが,立花党首の動画

で説明しているスキームは実現困難でしょう。

 

 

4.関係のない一般市民を「当事者」として巻き込むN国党

 そもそもN国党が国民に広く周知をしているのが「NHK撃退行為」なる運

動です。

 いまいち定義が明確ではないのですが,動画等を見ていると,NHKから委託

を受けた職員が来た場合に受信契約の義務があっても契約をせずに追い返すこと

や,受信契約をしても受信料を不払いにすることを推奨する行為の様です。こうい

ったNHKの業務を妨害する行為の「推奨」に関する法的問題は先日別のブログ記事

で記載させていただきました。

 

 本来N国党と接点を持っていない一般市民に対し,「不当な事実行為・法律行為

を誘引」し,一般市民を「直接の当事者」として巻き込み「不当な事実行為・法律行

為」をさせるという特徴が,N国党にはあります。

 そして,マツコ・デラックスさんらに対する上記「債権譲渡」の誘引も,まさに何

ら関係のない一般市民を「(「原告」にはならないという意味で)実質的当事者」として

巻き込んだ「不当な事実行為・法律行為」と言えます。

 

 共同通信が先のスラップ訴訟について記事化しているけど,これって,もう重大な

社会問題なんじゃないの?

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